備忘録〜企業経営理論②〜ドメイン・経営戦略・企業間連携
□ドメイン
事業領域のこと。現在から将来にかけて、事業のあり方などを明示した生存領域のこと。
ドメインは環境の変化に応じて変化させる必要がある。
組織内部だけじゃなく、組織外部にも合意を得ることが望ましい。
・企業の意思決定者たちの注意の焦点が定まる ⇨ 事業展開の発展のベースが提供される。
・どのような経営資源の蓄積が必要かについての指針となる。
・企業全体を1つの組織とする一体感を作る。
●物理的定義
・「モノ」を中心にドメインを発想する。「映画製作」
・デメリット:事業範囲が狭くなりがち。現在の事業領域を超える発想が出にくい。
●機能的定義
・「コト」「顧客のニーズ」を中心に発想する。「エンターテイメント」
・メリット:将来の発展性を感じさせることができる。
・デメリット:抽象的なドメインになりがち。広範囲過ぎて、ターゲットとなる顧客や事業の性格が不明確になりやすい。
●企業ドメイン
発展していく事業の範囲、組み合わせ(事業ポートフォリオ)を規定するということ。企業として同一性・基本的性格(アイデンティティ)を規定していくこと。
●事業ドメイン
その事業の範囲を規定していくということ。
・ターゲットとなる消費者の選択。
・どのようなニーズを満たしていくのか。
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※エーベルの3次元枠組
・どんな顧客(customer) に対して、
・どんな機能(function) を
・どのような技術(technology) で提供していくか。
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●VRIO分析
・V(Value)価値:その資源・能力があれば、事業機会を逃さず、脅威に上手く対応できるか。
・R(Rarity)資源の希少性:競合他社のうちのどれくらいが、価値ある資源や能力をすでに持っているか。
・I(Inimitability)資源の模倣困難性:ある資源を持っていない企業がその資源を獲得しようとすると、コスト面で不利が発生するか。
|・独自の歴史条件 ⇨ その企業の歴史的背景から形成されたモノであれば完全な模倣は困難。経路依存性が高い。模倣困難性が高くなる。
|・社会的複雑性 ⇨ 非物理的で社会的な要因によるモノがどうか。社内文化や社内コミニケーションによって形成されたかどうか。マネは難しいため、模倣困難性は高くなる。
|・特許 ⇨ 知的財産権として確立していれば模倣困難性は高くなる。
・O(Organizatios)組織:資源や能力の潜在力を十分に引き出し、活用できる組織が置かれているかどうか。宝の持ち腐れになっていないかどうか。
●ケイパビリティ、コアコンピタンス
独自性を生み出す能力のこと。無形の経営資源。模倣困難性が高い。
□経営戦略の4つの展開
●市場浸透戦略:既存市場に既存製品を投入する戦略のこと。宣伝を活用して浸透させていく。
●新市場開拓戦略:新規市場に既存製品を投入する戦略のこと。海外進出や女性向け商品など。
●新製品開発戦略:既存市場に新製品を投入する戦略のこと。デザインの変更。新機種の開発。
●多角化戦略:新規市場に新製品を投入する戦略のこと。
□多角化戦略について
●組織スラックの活用:蓄積した組織スラック(余裕資源)を多角化戦略のために有効活用すること。
●新しい事業分野の認識:外部環境の変化に対応して、それに対応する新しい事業分野を認識して経営資源を投入すること。
●主力事業の需要の停滞:現在の主力分野の需要の停滞に直面したら、新しい分野への進出を考える。
●リスクの分散:ポートフォリオ効果を得るために、無関連多角化を測る。
●シナジーの追求:関連多角化を測り、既存事業と新事業との共通点を資源展開して活用する。
●シナジー
同一企業が複数の事業活動を行うことで、異なる企業が個別に行うよりも大きな成果が得られること。
●相補効果
お互いに足りない部分を補うことで、市場における需要変動や資源制約に対応することができ、より大きな効果が得られること。
※シナジーと相補効果の違いをちゃんと理解すること!!
●PPM
企業が複数の事業を展開する時の総合効果を分析し、各事業への資源分配を決める時に利用される。
・問題児、花形、金のなる木、負け犬のイメージと進捗をイメージできるように。
●製品ライフサイクル
・製品が市場に投入され、廃棄されるまでの生命周期のこと。
・導入規 ⇨ 成長期 ⇨ 成熟期 ⇨ 衰退期
□企業間連携
●垂直的統合:原材料の生産から製品の販売までの垂直的な流れを1つの企業内で完結できるようにまとめること。自社ブランドとか。
●水平的統合
同種の製品分野の事業に進出して、事業範囲を拡大すること。規模の経済性の達成。競争的地位の強化。範囲の経済やシナジーの追求。
●戦略的提携(アライアンス)
複数の企業が契約の基で連携する協力関係のこと。
・スピーディーな事業展開が可能。
・強力しながらも相手の良いところを吸収しようとする姿勢が見られる。
・協調と競争が併存した状況になることが多い。
□M&Aの手法
●TOB(Take Over Bid)
買収側の企業が、被買収側の株式を、価格・株式・買付期間等を公開して、株式市場を通さずに株主から直接買い取る方法のこと。
●LBO(Leveraged Buy Out)
買収側の企業が被買収側の企業の資産や収益力を担保にして、銀行借入や社債発行をして、その資金で相手を買収する方法。
●MBO(Management Buy Out)
子会社などに、現在行っている事業の継続を前提として、現経営陣が株式や部門を買い取って経営権を獲得すること。
●MBI(Management Buy In)
MBOの一種であり、買収対象企業の外部マネジメントチームが買収を行うこと。
●産業連携
・TOL(Technology Licensing Organization)
大学との連携。
・大学に技術面をお願いすることで、自社資源えおコア分野に集中することができる。
・大学は企業に協力することで、研究成果の実用化や資金獲得ができる。
得意分野における関連企業、専門性の高い供給団体、サービス提供者、関連業界に属する企業、関係機関(大学等)が地理的に集中して、競争しながらも同時に協力している状態のこと。
シリコンバレー、ハリウッド